竜平

007/消されたライセンスの竜平のレビュー・感想・評価

007/消されたライセンス(1989年製作の映画)
3.9
『007』シリーズ第16弾。ティモシー・ダルトン版ボンドの2作目、にして彼がボンドを演じる最後の作品。国のためでも任務のためでもなく親友の敵討ちのため、凶悪犯に単身挑んでいくボンドの姿を描く。

今回の悪役は麻薬王サンチェス、こいつがまたなかなかの胸糞野郎。演じるのは『グーニーズ』などでも悪役を演じてたロバート・デヴィ。あとしれっと出てるベニチオ・デル・トロね、ちなみに今作がデビュー作とのこと。てか脇役たちが結構いろんなとこで顔を見る人だったりしてそこも個人的には楽しめたところ。ストーリーとしてはシリーズお馴染みキャラでありボンドの親友でもある「フィリックス・ライター」が巻き込まれてしまう展開、またしてもキャストが変わってるフィリックスよ。彼がこんなにもがっつりキッカケになるストーリーってシリーズの中でも今作ぐらいなんじゃないかな。そんなこんなで前作にも増してがっつりシリアス路線、エグめの殺し描写なんかも少々。話が進んでいく中でやっぱり出てきてしまう裏切り者とか、様々な思惑が絡みつつ、でも今作の見どころとなるのが友情や復讐や女性関係に揺れるボンド自身の姿。中盤以降の本能で突き進む様だったり、彼の人間性みたいなものに焦点を当てた内容になってる気がする。それを近くで見てるデスモンド・リュウェリン扮するQの存在感がまた良き。

この作風にティモシー・ダルトンはハマりにハマってると思う。クライマックスのアクションなんかも非常に良き。それこそ現代のダニエル・クレイグ版のような渋さも香るし、個人的には結構好み。あと数本続いてもよかったのにねー、時代的に合ってなかったのかな。短い間だったけども、ありがとうダルトンボンド。そしてこれにて『007』シリーズすべて鑑賞終了。いやー、長かったーー(笑)。
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