ノットステア

007/消されたライセンスのノットステアのレビュー・感想・評価

007/消されたライセンス(1989年製作の映画)
4.8
○感想
これを観るまでは、ティモシー・ダルトンに興味がなかったけれど、『消されたライセンス』でめっちゃ好きになった。『リビング・デイライツ』もかなりおもしろかったですけどね。
『007』シリーズ第16作。ティモシー・ダルトンがジェームズ・ボンドを演じた最後の作品。
オープニングのみコメディ感あり。ヘリコプターでプロペラ機を捕まえるもんだから、またこれもコメディ作品かと思ったら違った。
鮫に足を食いちぎられる、減圧室で頭部破裂、粉砕機で圧死などグロい演出もある。
さいとう・たかを劇画の『死ぬのは奴らだ』と映画『消されたライセンス』には共通のシーンがある。


○私の007ランキング
1位 スカイフォール
初めて観た007作品。クラスの友達6,7人くらいで観た。映画をたくさん観るきっかけにもなった作品。何度観ても飽きない。

2位 消されたライセンス
友達のために熱くなる。復讐のために動く。怒りで動く。冷静なスパイとしてはあるまじき行為。ボンドは自分の行いのせいで、多くの人に迷惑をかける。残酷なシーンも。

3位 カジノ・ロワイヤル
これ以上のボンドガールはいないってちゃんと思わせてくれる。そりゃ『ノータイムトゥダイ』までヴェスパー(の名前や写真)が登場するわけだ。頑丈な肉体。スマートなときも、男臭いときも魅力的。

4位 ノー・タイム・トゥ・ダイ
最初に映画館で観たときは寂しさが強く、あまり評価は高くなかった。けれど、何度か観てジワジワ好きになっていった。『ジェームズ・ボンドとして』を観たからというのもある。

5位 スペクター
忘れられないオープニング。オープニングだけ高い評価つけちゃう。Q。カーチェイス。飛行機シーン。ホテルでの動き。砂漠への移動。拷問からの脱出。どれも好き。なんで好きなんだろう。一人では映画館に行かなかったのに、公開前から観に行くと決めて行ったっていう思い出もあるからかも。
ガンバレルも一番カッコいい

6位 ロシアより愛をこめて
ショーン・コネリーのカッコよさが一番出てると思う。初のガジェット。肉体的には相手に劣っていても知恵と道具でなんとかする。


○登場人物(キャスト)
・ジェームズ・ボンド(ティモシー・ダルトン)
イギリスの諜報部員。

・パメラ・ブービエ(キャリー・ローウェル)
麻薬王であるサンチェスを捕まえるため、潜入捜査を行っている現地協力者。

・フランツ・サンチェス(ロバート・デヴィ)
麻薬王。カジノや銀行の運営など、幅広く事業を広げている。

・ルぺ(タリサ・ソト)
サンチェスの恋人

・フェリックス・ライター(デヴィッド・ヘディソン)
CIA捜査官。ジェームズの親友。デラとの結婚式当日、事件に巻き込まれてしまう。原作第2作『死ぬのは奴らだ』でもフェリックス・ライターはサメの生簀に放り込まれて片手片足を失う。

・Q(デスモンド・リュウェリン)
イギリス情報部を辞めたボンドのために休暇をとって助けにくる。

・M(ロバート・ブラウン)

・ダリオ(ベニチオ・デル・トロ)
サンチェスの部下。


○印象的なシーン(ネタバレです)
・フェリックス・ライターの結婚式
直前に麻薬王のフランツ・サンチェスの逮捕をしに行く。
ヘリコプターでプロペラ機を捕獲。
パラシュートを使ってボンドとフェリックス・ライターは結婚式場へ。

・フェリックス・ライター夫妻を誘拐。
フェリックスをサメに食わせて拷問。
ボンドはフェリックス・ライターの家へ。
フェリックスの妻のデラの遺体。
フェリックスは一命を取り留めるが、左脚の膝下が無くなる。

・海洋生物研究所。キリファーからサンチェスの取引情報を聞き出した後、キリファーを金と共にサメが泳ぐ水槽に突き落とした。(サメのいる水槽の上にぶら下がるキリファーは、助かるためにスーツケースの中の二百万を山分けにしようとボンドに買収を持ちかける。ボンドは「お前が稼いだんだ。地獄の底まで持っていけ」という言葉と共に200万ドルの入ったカバンをキリファーに投げつける。)

・ジェームズの独断捜査は、アメリカの警察には受け入れられない。ボンドの任務を逸脱した行為に対してMが自ら訪米、別件の任務に戻るように伝える。ボンドはその場で辞意を示し逃走。
M「夕べ、イスタンブールに入っているはずだろ。フェリックスの不幸な事件で判断力は少々鈍ったようだな。君には任務がある。午後の飛行機に乗りたまえ。」
ボンド「まだ仕事が残っています。」
M「アメリカ人に任せろ。彼らの問題は彼らに解決させろ。」
ボンド「しかし、連中は何もしやしません。これは私の務めです。フェリックスは命の恩人です。」
M「お涙ちょうだいみたいなセリフなど聞く耳持たん。互いに任務だったんだ。」
ボンド「じゃあ、彼の奥さんは。」
M「君の個人的復讐が女王陛下の政府の足を引っ張ることになりかねん。君には任務が下っている。組織の一員として、プロらしく、私情を挟まず、実行してもらいたい。」
ボンド「では、辞職させてもらいます。」
M「我々は社交クラブじゃないんだぞ。」
ボンド「…。」
M「よし、辞任を受理しよう。殺しのライセンスは消滅。武器も返してもらう。」「じゃ。」
ボンド「…。」
M「わかってるだろうが、辞めても機密漏洩法は守ってもらうぞ。」
ボンド「ふん。これこそ本当に、武器よさらばですね。(笑いながら)」→返すふりして仲間を叩き、逃げる。

・水中での戦い。ダイビングで海のなかに潜り、戦い、ホースを切られ、大金が積み込まれたプロペラ機にロープを引っかけて空へ逃げる。(急浮上と高所通過で危険だろうけど、他に逃げる手はないか。)

・フェリックス・ライターのサンチェス捜査の現地協力者のパメラ・ブービエという名の女性。
ボンドはパメラに会ってフェリックス・ライターのことと、サンチェスに潜入がバレていることを伝えた。
サンチェスの仲間のダリオたちとの戦闘。
ボンド「どうして君はそうせっかちなんだ?」
パメラ「どうしてそう遠慮深いの?」

・ボンドとサンチェスの対面。サンチェスの部屋の窓は防弾ガラスによって守られているため、狙撃できない。
ホテルに戻るとQがいた。
ボンドはサンチェスを狙撃しようとする。
香港の麻薬捜査官の男達に襲われ、ボンドは捕まる。
ボンドの行動により、任務が妨害されたらしい。
サンチェスの仲間により、麻薬捜査官達は死に、ボンドは縛られたまま気絶。

・ボンドは潜入した工場の中てダリオに見つかり、捕まって殺されそうになる。そこに、パメラが助けに現れ助けられる。

・脱出するサンチェス達とタンクローリーを奪って追うボンドの荒野のカーチェイス。ボンドは結婚祝いでライターにもらったライターを使って、サンチェスは復讐の業火に包む。

・ボンドはパーティーに参加し、ルペにキスをする。その姿を見たパメラはショックを受け立ち去る。ボンドはパメラを追いかけてプールに飛び込んだ。そして、パメラを抱き締めキスをした。
パメラ「どうして君はそうせっかちなんだ?」
ボンド「どうしてそう遠慮深いの?」


○ダニエル・クレイグ版007のオマージュ
・『慰めの報酬』…ライセンスの取り消し
・『スペクター』…飛行機の翼の先が千切れる