『あの海の上を揺れ動く街を
降りるべきじゃ無かったかもしれない』
「America!!!」
「🗽」
「このピアニストは誰だ?」
「彼は、存在しなかったと言っても嘘じゃない」
「この世紀の初めの年の初めの月に生まれたんだ
こいつの名前は1900!」
「坊やは気に入ってないみたいだぜ」
「もう名前になった
こいつは
"ダニー・ブードマン・T・D・レモン・1900"だ!」
「名前は?」
「1900」
「曲名じゃなくて彼の名前よ」
「1900」
「曲名みたいだわ」
「コーン吹き、船酔いか?」
「コーン吹き、ひとつ聞いても?
君は子供はいる?」
「? いや」
「じゃあ孤児院行きだな」
「🎹🌀」
「ママ!」
「馬に詳しいのか?」
「...まあ少しは?」
「それは良いことだ」
「アメリカを発見するのはいつも1人だけだ
それは偶然なんかじゃ説明できない
運命なんだ」
「その、よければ、君に、」
「聞こえないわ!」
「もし迷惑じゃなければ、」
「聞こえないの!」
「...幸運を!」
「ありがとう!」
「理由は見えたものじゃない
見えなかったものだ
あの街の終わりは見えなかった
終わりはどこにあった?マックス
ピアノの鍵盤には終わりがある
誰が数えても88だ
僕は限りある鍵盤の中で音楽を作ってきた
でもあの街に終わりはない、無限だ
無限に続くものの中では作れない
そんなの手に負えないよ
通りだけでも何千とある
その中からどうやって一つを選べばいい?
出会うべき女、住むべき家、
自分の死に方もだ
僕はこの船で生まれて育った
この船を降りてあの無限の街に行くなら
船と一緒に終わりを迎えるよ」
「君だけは僕の存在を覚えてる」