タマル

キートンの大列車追跡/キートン将軍/キートンの大列車強盗のタマルのレビュー・感想・評価

3.3
バスター・キートン情報

本名はジョゼフ・フランシス・キートン。アクロバットを生業とする両親のもとに生まれ、3歳から舞台に上がる。
その卓越した身体能力をして”なんと素晴らしい子供だ”(ウワット・ア・バスター)と評されたことから芸名が決まった。

彼を形容する最も一般的な言葉はdeadpan(無表情な)。これが彼の個性。無愛想・非社交的にも捉えられるし、真摯さ・実直さにもなり得る。愉快のなかに哀愁を湛えるのが彼のスタイルだ。
白塗りの生真面目が大事な場面ですっ転ぶ姿には、普遍的な”笑い”が根ざしているのである。

以下、レビュー。


ちゃんと面白かったです。
もちろん、超絶おもしろい! 今年ベストだ!!
みたい面白さではないですけど。
娯楽映画のアーキタイプを観てるんだな〜っていう。「安心感」て表現がしっくりきますね。担保された面白さを確認していく映画でした。

ストーリーはごく単純。
兵士を志す機関車技師が悪者を追いかけたり悪者から追いかけたりするという、爽快!機関車アクションです。
機関車で移動するのですから、当然レールの上を走らなくてはならず、行くor止まるしか選択肢がありません。ある種の強制力が働く状況であり、サスペンスが起こりやすい環境のため、観客である私たちは常に緊張感を持って観ることが出来ます。実際この映画は機関車に乗り込んだその瞬間からずっとハラハラさせてくれる出来になっておりました。
機関車の重量感のある「動」とキートンの軽快な「動」のコラボレーションが映像の生物性を最大限に発揮させた傑作です。

もちろん言いたいこともあります。
途中、北軍の本拠地みたいなとこで一回汽車が止まってしまうのでペースダウンして退屈に思えたりとか。
音楽がミスマッチでなんか牧歌的なかんじになってたりとか。
あるにはあるんですが。
映画史とか映像技術とかの知識が無い私でも十分楽しめました。
オススメでございます!
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