秀ポン

エンジェル ウォーズの秀ポンのレビュー・感想・評価

エンジェル ウォーズ(2011年製作の映画)
2.9
序盤のどんでん返しと、それを更に返す終盤のどんでん返し返しはおもしろかった。
そして終盤のどんでん返し返しを踏まえると、序盤のどんでん返しがより味わい深くなる。

辛すぎる現実を直視出来ず、歪めて認知してしまうときに、能動的に妄想に入り込もうとするのではなく、「あ、そうだった、本当は世界はこうなってたんだった」って感じで、パーンと"気付く"ような形で妄想の世界に飛び込む方が、認知のズレ方に強度を感じる。

この映画でいうと、「ここは精神病棟じゃなくて娼館なんだ……!」って思い込もうとするんじゃなく、精神病棟に送り込まれるまでの経緯こそが演劇的な偽の世界だったんだとネタばらしされる感じ。
それがとても良かった。

(踊りって現実世界の何に対応していたんだろうとか、見ているこっち側の妄想が膨らむのも良い)

ただ、その娼館の妄想と、2段階目の妄想である諸戦場のシーンがあんまり面白くなかった。
諸戦場は全部似たような印象だし、娼館でのアイテム集めが単調なのもあって、序盤と終盤以外は退屈だった。
あと、親とも仲良くて、外でも普通に生きていける奴だけが外に出られるの、実は当然のことが当然に起こっただけではあるよなとも思った。

ザックスナイダーの黒ずんだ画面はあんま好きじゃない。
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