藤見実

ベルリン陥落の藤見実のレビュー・感想・評価

ベルリン陥落(1949年製作の映画)
3.8
スターリン個人崇拝映画だと伺ったが内実はヴァイマル期の亡霊じみた映画で、後半はほとんどヒトラーをヴァイマル映画パロディで追うドラマが目立つ。特に、地下道に水を流すシーンはまったくまるで『メトロポリス』だし空爆を逃れて地下室へ地下室へと移動するセットは『ガリガリ博士』そのもの。

麦畑で告白し愛が成就したと思ったら即空爆が始まる冒頭から危惧していたことだが、メロドラマを戦争が破壊し成就させるストーリーテリングになっており、それがナイーブなヒトラーの顔→爆発という粗野なしかし非常に爽快なエイゼンシュテインもびっくりなモンタージュに結実している。

空爆の特撮、議事堂陥落のロケハン?、党首の部屋でのクレーン(?)使い等々みるべきところはたくさんある。
藤見実

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