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修道女のakrutmのレビュー・感想・評価

修道女(1966年製作の映画)
3.1
18世紀の百科全書派の思想家・哲学者であるドゥニ・ディドロの同名小説を、ジャック・リヴェット監督が映画化した作品。母親から強制的に修道院に入れられてしまった若い娘・シュザンヌが、自分に優しかった修道院長が亡くなったあとに過酷な仕打ちを受ける。そして、訴訟を通じて移動した別の修道院では同性愛の院長に激しく迫られるという、修道院の閉鎖性を描いた何とも救いようのない映画である。1963年にまず舞台化され、本映画でも主演しているアンナ・カリーナが修道女の役を演じたが、大きな話題にはならなかったそうである。その後1965年に映画化されたが、カトリックへの冒涜ともとれる内容のせいで上映禁止となり、翌年のカンヌ国際映画祭まで公開されなかった。

アンナ・カリーナのシスター・プレイを見たいという人にはオススメであるが、個人的にはそれ以外にあまり見どころがあるとは思えなかった。舞台用の脚本が長かったこともあり、映画化の際に短くするためにイベント間の部分をけっこう削ったと思われ、説明もなくストーリーが展開していくのが好きになれない。特に前半は、理由もわからずにアンナ・カリーナが虐待されるシーンのオンパレードで、なんかそれだけでうんざりしてしまった。元々、近世・近代の欧州の風俗(衣装とか)があまり好きではないんだなあ。後半の同性愛パートはどうということはなく、ラストの10分くらいは急展開ではあったが。
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