りっく

日本侠花伝のりっくのレビュー・感想・評価

日本侠花伝(1973年製作の映画)
4.7
列車内でまるで運命に翻弄されるように女と男が出会う場面から、一貫してローアングルによる加藤泰の美学が炸裂。真実の愛を探し求め、翻弄され、傷つきながら、それでも歩みをやめようとしない力強く儚い女を真木洋子が文字通り全身全霊で熱演。特にリンチシーンの壮絶さ、ラストで情念が血しぶきと共に爆発する渡哲也とともに男どもをたたき切りまくる崖上の場面は映画史に残る。その一方でくしゃみの場面など、笑いを交えるバランス感覚も見事。ワンシーンワンカット単位で目が離せない、壮絶な傑作。
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