ブタブタ

ソーシャル・ネットワークのブタブタのレビュー・感想・評価

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)
4.0
本作もシェークスピアの『リチャード3世』を元にしてるんですね。
野心あふれる男が天下をとる物の王座に着いた時には周りには誰もおらず手にしたのは孤独だけと言う。
でも実際のFacebook創始者マーク・ザルツバーグCEO(←よく知りません^_^;確かそんな感じの名前??)はこの映画みたいな変人ではなくちゃんと中国人の彼女もいるしマトモな人らしくあくまでも実話を元にしたフィクションなんですね。

『シン・ゴジラ』でも言及された超高速会話劇で進むストーリーのテンポの良さと天才と呼ばれる主人公マークの何処か浮世離れした飄々としいてキレ者だけど皆からはズレた感じ。

自分はマークよりもエドゥアルト(アンドリュー・ガーフィールド)に感情移入して見てました。
最初は確かに仲間で対等な関係だったのに天才であるマークにいつの間にか引き離され、友情も居場所も失い訴訟を起こす事でしかマークと関わる事が出来ない、マークに対する愛憎入り交じるエドゥアルトの悲しさの方が自分には響きました。
本作はエドゥアルトから見たマークとして描かれている部分が多く、だからマークはあんなに嫌なヤツだとも言えるのですが。

でも一番好きなキャラクターはショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)です。
彼は音楽共有サービス「ナップスター」の開発者で彼が居なければ後のiTunes等の音楽配信サービスのこれ程の普及も無かったとか。
でもナップスターは著作権無視のサービスだった為、訴訟を起こされ身ぐるみ剥がされてしまったとか、そして次に作ったアドレスブック共有サービスで立ち上げた会社も経営陣から追い出されてしまったとか。

ソフト開発に長けていても金や経営と言った事には無頓着でそれゆえ折角作ったソフトも他人に全部取られて追い出されてしまう。
それでもめげずに次、次と新しい事に挑戦を続けるショーン・パーカーの姿はソーシャルネットワークの世界の冒険家・探検家と言った趣きが有りますし、マークたちを招待した高級レストランの支払いも実はなけなしの金で済ましており無一文になってしまうとか、武士は食わねど高楊枝では無いですけど精一杯見栄を張りカッコつけてる姿や「theFacebookではダメだ。もっとシンプルにtheを外せ」と言って颯爽と去って行くシーンはしびれました。
でもショーンの「無駄は切れ」のアドバイスのせいでエドゥアルトはマークから切られてしまう事になるのですが。

あくまでも個人的な感情なのですがジェシー・アイゼンバーグが嫌いで(笑)
何か顔に表情が乏しく「虫」みたいで感情移入出来ません。
本作でも全盛期のホリエモンみたいにひたすら嫌なヤツに感じて本気で不快でした(それはそういう役なのですし演技力の高さゆえは分かってはいるのですが)
『バットマンvsスーパーマン』でも同じ様な役のレックスコープCEOルーサーを演じていましたが悪役と言うより本当にただ嫌なヤツで(笑)
悪い奴を演じていても憎らしいとか怖いとか「嫌なヤツや悪役としての魅力」が感じないのですね。
単に嫌なヤツで「役者としての魅力」を感じません。
(ジェシー・アイゼンバーグさん御本人はいい人かもしれないのですみません)
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