宇尾地米人

テキサスSWATの宇尾地米人のレビュー・感想・評価

テキサスSWAT(1983年製作の映画)
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 原題だと『一匹狼マクエイド』で、その名の通りこのテキサス・レンジャーは独りを好む凄腕警備隊員。過去のものとなったウエスタン・スタイルを現代テキサスに復活させて悪の暴力に対抗していくアクション篇。チャック・ノリスの射撃あり、空手あり、ロマンスや家族愛もお披露目して魅力全開。しかし向こうの人は孤高の戦士とかローン・ウルフというのが様になりますなあ。日本にも三船敏郎とか若山富三郎とか勝新太郎もおりましたが。チャック・ノリスはアメリカで空手道場を開くほど、本物の格闘。達人わざ。蹴りの凄さ。そして容赦のない銃撃。ブルドーザー突進。この無敵のヒゲ親父っぷりが最高でしたね。武器密輸組織だろうが何だろうが打って蹴って爆ぜ殺す、チャック・ノリスのアクション・パフォーマンスはもう目で観るタウリンです。エネルギー代謝が促進されます。

 スティーヴ・カーヴァー監督はロジャー・コーマンに雇われて成功を収めたので、B級映画監督として見られていますが、ワシントン大学を出てプロスポーツ・キャメラマンとしてセントルイス・カージナルスの選手たちを捉え、数多くのドキュメンタリーを製作したり、アメリカン・フィルム・インスティチュートで映画製作や脚本・監督術を学ぶなど立派な経歴をもっています。本作は『香港コネクション』に次いでチャック・ノリスと組み、現代テキサスのアクションを連発させてクライマックスは怒涛の空手対決を演出してみせた、渾身の代表作でしょう。イタリアの大御所作曲家であるフランチェスコ・デ・マージの音楽も決まっていて、映画に見事な風情をもたらしています。
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