消々

青いパパイヤの香りの消々のレビュー・感想・評価

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)
4.0
ひとつひとつの場面を忘れたくない。まるで、詩のよう。ドラマチックな 展開はなく、在りし日の、もしくは想像上のベトナム上流階級の暮らしを丁寧に追う。
晩ごはんを終えてまだ眠るには早い、その気だるげな手持ち無沙汰に横笛と弦楽器を奏する優雅さ。鈴虫の声を見つめながら愛でる典雅さ。美しい調度品の間を縫うように明かりをひとつひとつ灯していく、踊るような仕草。全てが忘れられない瞬間。冗長という向きもあるかもしれない。けれど一瞬一瞬、心打たれない瞬間はない。
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