うえびん

青いパパイヤの香りのうえびんのレビュー・感想・評価

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)
3.5
変わらぬ自然の営み
変わりゆく人の営み

1993年 フランス/ベトナム作品

1951年ベトナム、サイゴン市
奉公人として雇われた10歳の少女ムイ

リリリリリリ…(鈴虫の音)
チュンチュン…(鳥のさえずり)
ケロケロケロ…(蛙の鳴き声)

自然の営みを背景に
複雑な一家の営みが描かれる

孫娘を喪った哀しみから立ち直れない祖母
蒸発癖のある父
献身的な母
やたらとムイにいたずらを仕掛ける弟
兄とその友人クェン

言葉や直接の描写はないけれど
ムイに芽生えた恋心が感じられる

突然、10年の歳月が流れる

鈴虫の音、鳥のさえずり、蛙の鳴き声

変わらぬ自然の営みに
戦闘機の飛行音が交わる
ベトナム戦争の背景が感じられる

大人になったムイは
奉公先の主人と別れ
クェンの元に奉公に出る

クェンはピアニストとなっており
彼が奏でるピアノの音色も加わる

徐々に心を通じ合う二人
クェンはムイに言葉を教える

ベトナム語
柔らかい音の響きが耳に心地よい

ストーリーがやや単調
前半の民族音楽と後半のクラシック
曲調の急激な変化もやや奇をてらった印象

セリフが少なく
象徴的な映像群はよかった

ストーリー展開も
想像を超えるものがあればなおよかった
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