これが私の生きる道
2021年 韓国作品
失われたフィルムをめぐる物語。主人公は映画監督のジワン(イ・ジョンウン)。ヒット作に恵まれず、新作を撮る目処が立たない中、突如、仕事が舞い込む。それは、60年代に活動した韓国の女性監督ホン・ジェウォンが残した映画『女判事』の欠落した音声を吹き込むという仕事だった。
夢と現実、現在と過去、映画と自身の人生…、その狭間を行きつ戻りつしながら、フィルムの修復とジワン自身の人生の回復か交叉してゆく―。
こうやって、あらすじをなぞると、味わい深くいい作品風なんだけれど、いまいち作品世界に入りきれず、退屈に感じる部分が多かった。
イ・ジョンウンは、映画『パラサイト』やドラマ『知ってるワイフ』で、とてもいい味を出していた。だけど、本作ではその味が感じられなかった。彼女は、バイプレイヤータイプなんだろう。彼女の演技によって引き立つ人がいなかったのが残念だった。
作中のジワンは、紆余曲折ありつつも映画監督として生きる道を選んだ。ジワンを演じたイ・ジョンウンは、主演ではなく、助演として生きる道を選ばれることを願いたい。