うえびん

私が、生きる肌のうえびんのレビュー・感想・評価

私が、生きる肌(2011年製作の映画)
3.7
◯◯そっくり

2011年 スペイン作品

天才的な形成外科医ロベル
画期的な人工皮膚の開発に没頭する

彼が夢見る“完璧な肌"の創造
その実験台にされた“ある人物"

ロベルと“ある人物”との奇怪な物語

映像は終始、気味が悪い
なのに
ストーリーは小気味好い

人間の内的世界と外的世界
インターフェイス(隣接点)としての皮膚

外部から生体を保護し
外部からの刺激や情報を取り込む

皮膚(肌)への偏執狂
こんな作品はめずらしい

「胎内の狂気」
「狂気の愛」

ロベルが
遺伝子を操作して
◯◯そっくりな人間を造ってまでも
取り戻そうとして
取り戻せなかったもの

“ある人物”が
外部からの圧力に屈せず
失わなかったもの

ロベルが求めたものは
本人の皮膚(肌)の外に

“ある人物”が失わなかったものは
本人の皮膚(肌)の内に

最後まで交わらなかったもの

対象的な両者の最後に
独特な余韻が残る
うえびん

うえびん