トラン・アン・ユン監督
ベトナム系フランス人
1951年フランス領ベトナム
サイゴン(インドシナ戦争中)
ファン・チャウ・トアン通り
パパイヤの茎から垂れる白液体
食べ物を運ぶアリを見て面白がるムイの表情
カエルを見て面白がるムイの表情
パパイヤの中にある種を触って面白がるムイの表情。
オナラやオシッコでイタズラするも、出て行った父を恋しがる三男
歪な家族に違和感を感じながら、その寂しさを上手く表現できず、
蝋でアリを殺したり、カエルをパチンコで撃ったり、屈折していく次男
夫が女のところへ行くのはお前のせいだと姑に責められる母
日本のせんねん灸が出てきた。
蚊取り線香も日本製かな。
絶えず不協和音の音楽が流れ、この家の不穏な空気を感じさせる。
10年後、クェンの家では彼の弾く
ドビュッシー『月の光』のせいか、明るく、しかし、どこか物悲しい感じがした。
好奇心旺盛で何にでも興味を持ち、虫や生き物、食べ物、もちろん人に対しても、屈託なく接するムイ。裕福だが決して幸せではない家庭の中で、慎ましくも明るく生きるムイの生活には悲壮感がない。純真無垢なムイに幸せが訪れる。読み書きを覚え、詩まで読むようになる。
少女のムイと大人のムイも本当に同一人物ではないかと思う程、表情がそっくり。
最後、黄色いアオザイを着てたのは熟したという意味が。
叙情豊かなエロ映画かな。