クロスケ

コラテラルのクロスケのネタバレレビュー・内容・結末

コラテラル(2004年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

【再鑑賞】
『ナイト・オン・ザ・プラネット』ロサンゼルス編のスピンオフと言っても納得してしまいそうなほど、タクシーの車内でのシーンが丁寧に撮られています。
ひた走るタクシーの緩やかな走行や窓の外を流れる夜のロサンゼルスの街の情景が、車内を豊かな時間で満たしていきます。

運転席に座るジェイミー・フォックスと後部座席に座るトム・クルーズやジャダ・P・スミスとの二人だけのやり取りを、巧みな切り返しショットの連鎖によって、濃密な瞬間として見事に演出してみせるマイケル・マンの手腕は、乗り物が変わるラストシーンでも見ることができます。

人影の途絶えた地下鉄の車内で、向かい合わせに座るヴィンセントとマックスの二人。タクシーの車内では饒舌だった男が、言葉少なにマックスに語りかける。奇妙な信頼関係(ひょっとすると、友情のようなもの)が芽生え始めていた二人の間に静かに最後の瞬間が訪れる。

物言わぬ存在になったトム・クルーズをヨリとヒキを的確に繋げて画面に収めていきます。そのショットに迸るトムの横顔の美しさに思わず唸りました。
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