安堵霊タラコフスキー

ライフ・アクアティックの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

ライフ・アクアティック(2004年製作の映画)
4.1
犬が島公開の前に何かウェス・アンダーソン作品を見たくなり、カンヌでケイト・ブランシェットが審査員長を務めてるということで彼女が出ていたこの作品を久々に見てみた。

天才マックスの世界を見て手持ち撮影が多い印象を受けたけど、この作品はそれ以上に手持ち撮影が多く、こんなに多かった記憶が無かったものだからまずそこが結構意外だった。

でもこれは映画撮影に関する話ということで劇中のクルーが撮ろうとしているドキュメンタリーを意識して撮ったからという理由が考えられるが、それでもいたずらにカメラを動かさず撮影しているおかげで手持ちでよくある不快感がなかったのは流石だった。

内容としては白鯨をコミカルにした調子で展開しつつもジャック=イヴ・クストーにオマージュを捧げる題材というのが中々に渋かったが、その中で海洋生物をクレイアニメで表現した点は改めて見ると後のアニメ作品のエッセンスになるものが感じられて興味深かった。

時折見えるシロイルカたちも実にキュートだった。

そして言語が変わってるとはいえ弾語りでデヴィッド・ボウイの名曲を多数使っていたのは、ファンとしてやはり嬉しい点だった。(ストゥージズの曲を使ってもデヴィッド・ボウイがプロデュースしたときのものというのもわかっている)