原作者が監督、となると大爆死のイメージが付きまとうが本作はホラー映画として破格の出来栄えと言ってもいいのではないか。
原作最大の理解者とは原作者である。その本人が監督としてクレジットされるとこだわりや愛ゆえに明後日の方向へ飛んでいく、なんて事もある。だが本作は違う。
中でも魔道士たちの不気味で、どこか耽美さすら思わせるビジュアルは唯一無二である。
苦痛と快楽の描写を徹底して描き上げ、「グロい」の一言で終わりそうな映像をグロテスクな映像美、芸術の域まで持ち上げた手腕は流石である。
あんな死に方はしたくない。けれど人生の代償に得られるの快楽とは? そう考えると不思議な箱を開けてみたくもなる……癖になる一作だ。素晴らしい。