あおい

カジュアリティーズのあおいのレビュー・感想・評価

カジュアリティーズ(1989年製作の映画)
3.6
いついかなる時も、咎められるべき行為…

マイケル・J・フォックス主演の戦争映画。描かれるのはベトナム戦争時の慰安婦。

ドンパチやるだけじゃなく、こういうことをテーマに据えた戦争映画は初めて観ました。

◎ミザーブ軍曹率いる隊に属するエリクソンは、戦時においても人殺しについて、深く考える男だった。そんなある日、軍曹が規則で禁じられている婦女暴行を企てていることを知る。
頑なに拒むエリクソンだが、まわりの兵士たちは欲望と上官に逆らうことへの恐怖から、悪しき犯罪に手を染める…

苦悶するマイケル・J・フォックスの表情が印象的で、やっぱり大好きな俳優ですわ。
それと対比的で、快楽のまま凶行に出るショーン・ペン。障害者の役もできる器用な人ですが、やっぱりネジの外れた演技が上手い!

しれっと出てるジョン・C・ライリーは見事な小物でした( ^ω^ )

ベトコンは誰でも殺していいっていう思想の元、繰り返される原住民への殺戮。それと並行して散って行くアメリカ兵も描きながら、戦争という場で、何が正義なのか問われているようでした。

戦後PTSDに陥る人がいるのも頷けますし、決して彼らの心が弱いから病んだ訳じゃないんやと痛感。

かなりショッキングなシーンもありますが、観て損はない映画。

オープニングからつながるラストシーンは、意図して無理に清々しく終わらせた感はあるが、それが却って今までの鬱屈した雰囲気と異なり、良い余韻を残しています。
あおい

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