reb

ゴールキーパーの不安のrebのレビュー・感想・評価

ゴールキーパーの不安(1971年製作の映画)
3.1
ヴィム・ヴェンダースの長編デビュー作という事でずっと観たかった本作。
プロのサッカー選手でゴールキーパーのヨーゼフは、ウィーン遠征の試合中オフサイドをめぐって審判と揉め退場処分となる。
彼は地元のホテルに泊まって1人で街をぶらつき、映画館の切符売り場のグロリアと仲良くなって一夜を共にし、翌朝首を絞めて殺してしまう。
動揺もせず冷静に指紋を拭き取り、逃げも隠れもしないヨーゼフ。
試合の行方は気になりよく新聞は見るが、殺人事件の記事はチラッと見るだけ。
「キーパーはポールが来ない間にも色々と動いている」と話すヨーゼフ。
キーパーのサガなのか、彼は落ち着きがなくブラブラとあちこち歩き、女性にちょっかいを出し、酔っ払いに絡んでボコボコにされる。
映画鑑賞も殺人も国境の町での昔の女との再会も、ひたすら淡々とこなし、職を無くした不安も犯人として追われる不安も、全く感じられなかった。
これも原作はペーター・ハントケ。以前「左ききの女」を読んでみて、少しばかり映画を理解する手助けになったが、本作の「不安」も読んでみようかな。
リュディガー・フォーグラーがちょっと頭の弱い役で出ていて嬉しくなった。
私はドイツの街並みを眺めているだけで楽しかったが、そうじゃない人には拷問熟睡映画だろう。
reb

reb