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最高殊勲夫人のSPNminacoのレビュー・感想・評価

最高殊勲夫人(1959年製作の映画)
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大会社の三兄弟と庶民三姉妹の結婚喜劇は、ジェイン・オースティンの昭和版か。三男と結婚を迫られつつ、オフィスの恋模様を引っ掻き回す三女の若尾文子が『エマ』みたいな。
BGから玉の輿、夫も会社も牛耳るボスになって世界征服!それが最高殊勲夫人…と、結婚=女性の自己実現としてあっけらかんと肯定されるし、昭和の文化は色々唖然とすることばかりだけど、文子と川口浩の無邪気さでどうでもよくなる。というか、最後の記念写真でぜんぶ許せてしまう。まあ社長が船越英二なら会社もこうなるよね!
結婚式で始まり、バーや食堂、満員電車にオフィス、TV局まで、とにかく狭い空間に人がいっぱいだ。台詞の掛け合いだけでなく、大勢の人の出入りでスピーディに畳み掛け、しかもみんなよく食べる呑む(会社で昼休みにメザシ焼いてる!)。常に止まらない口と手で画面に賑やかな活気が溢れるスクリューボール・コメディだった。タイトルバックがジャック・タチっぽい。
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