Jimmy

青の恐怖のJimmyのレビュー・感想・評価

青の恐怖(1946年製作の映画)
3.3
ちょっと変わった殺人映画。何が変わっているかと言えば、物語の舞台が戦時中の病院ということ。そして、物語の設定は1944年夏なので第二次世界大戦の空爆飛行機が飛ぶおとが聞こえる手術室や病院内が舞台。
監督はシドニー・ギリアット。この人は、戦前の『バルカン超特急』や『ミュンヘンへの夜行列車』という極上のサスペンス映画の脚本化でもあり、本作『青の恐怖』を監督した後に『絶壁の彼方に』という見事な映画を監督している。

この作品は、ある病院に爆撃で怪我した郵便配達の男が運びこまれて、難しい手術でもないに拘らず死亡してしまう。そして、しばらくして婦長が大勢の前で「あの死亡は殺人だ!」と叫んで「証拠は私が持っている!」とも告げた直後に殺される。
どうやら犯人は、この病院の医療チームの中にいそうなのだが……。

このような「犯人は誰でしょう?」的映画は最後まで犯人探しをするので面白く観られるのだが、やはり病院を舞台にした殺人事件なので、なんだか地味な感じがしてしまう。設定がちょっと惜しい気がする。
ただ、犯人が判ると、「なるほどね~」と思う。

この映画の邦題は『青の恐怖』だが、原題は『Green for Danger』なので「危険な緑」とか「緑の恐怖」が正しい気がする。
しかし、「緑の恐怖」というと、ウルトラセブンの1エピソードと同じになってしまい、植物宇宙人のワイアール星人を思い出してしまう(笑)
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