青の恐怖の作品情報・感想・評価・動画配信

「青の恐怖」に投稿された感想・評価

R

Rの感想・評価

3.3
ちょっと変わった殺人映画。何が変わっているかと言えば、物語の舞台が戦時中の病院ということ。そして、物語の設定は1944年夏なので第二次世界大戦の空爆飛行機が飛ぶおとが聞こえる手術室や病院内が舞台。
監督はシドニー・ギリアット。この人は、戦前の『バルカン超特急』や『ミュンヘンへの夜行列車』という極上のサスペンス映画の脚本化でもあり、本作『青の恐怖』を監督した後に『絶壁の彼方に』という見事な映画を監督している。

この作品は、ある病院に爆撃で怪我した郵便配達の男が運びこまれて、難しい手術でもないに拘らず死亡してしまう。そして、しばらくして婦長が大勢の前で「あの死亡は殺人だ!」と叫んで「証拠は私が持っている!」とも告げた直後に殺される。
どうやら犯人は、この病院の医療チームの中にいそうなのだが……。

このような「犯人は誰でしょう?」的映画は最後まで犯人探しをするので面白く観られるのだが、やはり病院を舞台にした殺人事件なので、なんだか地味な感じがしてしまう。設定がちょっと惜しい気がする。
ただ、犯人が判ると、「なるほどね~」と思う。

この映画の邦題は『青の恐怖』だが、原題は『Green for Danger』なので「危険な緑」とか「緑の恐怖」が正しい気がする。
しかし、「緑の恐怖」というと、ウルトラセブンの1エピソードと同じになってしまい、植物宇宙人のワイアール星人を思い出してしまう(笑)
こぅ

こぅの感想・評価

4.4
【バルカン超特急】の脚本家、シドニー・ギリ
アット監督による、極上【院内サスペンス】。

原題は、緑は危険 だが、邦題は青、、。

第二次大戦中、ロンドン郊外の病院で奇妙な事件が起こった。爆撃で負傷して運び込まれた郵便配達夫が急死した。それは他殺で…。

院内が舞台のハラドキあり、愛憎劇あり、コメディ
も盛り込み、ラストはしっかり観客を欺く 贅沢な
【極上ディナー】が頂ける。

OP、勇ましく軽快なテーマ曲。
コントラストがハッキリしている映像。

冒頭からナレーション付き回想式で展開するの
だが、医師2人と看護師4人の中に犯人がいる、と
いう提示から吸引力バツグンで掴まれる。
そして、院内での【愛憎劇】を見せてくれる。
その院内でのワンカット カメラワークが絶品。
そして、急患、、手術中第一の事件が発生。
前科のある麻酔医バーンズ(トレヴァー・
ハワード)が疑われる…。

中盤の容疑者◯長が、あれは、計画的殺人で、犯人
を知っている、と公言する大胆行動シークエンス
にはビックリ。

流石は愛の怒りの八つ当たり。

そして、、第二の殺人事件発生。
この公言直後〜殺人までのシークエンスの
林での陰影(ライティング)とクレーン撮影や、
カメラワークには、 唸った。まるで、ホラー並の
怖さ。
これで容疑者が1人減るが、進むに連れ全員が
怪しい、ミスリードの脚本が上手い。

ここで、ナレーションの主、コックリル警部
(アラステア・シム)の登場。
このタイミングが絶妙で、流れが更に心地良くなる。
彼は、明らかにコミックリリーフ的存在でで、
少しいい加減なのだが、ビシッとキツイ事(皮肉)
はハッキリ言うし、シッカリ決める時は決めるのだ。
まるで【コロンボ】の原型⁈のようなキャラ。


クライマックスは、刑事が、実際のオペで【一芝居】
を打って鮮やかな解決篇。目を見張るが、犯人の
動機が弱すぎる。
それは出来とは別問題で、サスペンスは、こうで
なくちゃ!というお手本の様だ。
(多少の強引さは付きもの。)

ナース リンレイ(サリー・グレイ)が綺麗だった。

ナレーションで予告していた、刑事の【失態オチ】
もある。ハリウッド作品とは異なるイギリスらしい
締めか⁈。事件は解決するが、今ひとつモヤモヤ
したまま去る警部は、まるで、、【◯◯一】。
正統派のミステリー(フーダニットもの)で、至極、真っ当な解決をするものの、予想外のチェンジアップなオチに爆笑。

中盤から満を持して登場する警部のキャラクターに尽きる。コイツを見るだけでも価値アリ。人相悪くて、いかにも切れ者で実際に頭脳明晰なのだが、ところどころテキトーでいい加減でドンくさい。基本的に、捜査にかこつけて経費使ってバカンスに来たかのようなノリ。

「なぜ彼女が殺されなきゃならないんですか?」「知るもんか、俺は今ここに来たばっかりだ」なんていう人を食ったやりとりに始まって、V1ロケットの落下音にビクつく三段落ちのギャグが繰り返され、まだ解決もしていないのに寝る前にはベッドで “WHO KILLED SIMON LEMAIRE? ” なる推理小説を楽しんでいる有り様(それも、我慢しきれず結末から先に)。

この警部が登場するまでは深刻で泥臭い愛憎劇が展開されていたので、あまりにドラスティックな切り替わりに最初は戸惑うけれど、明らかにコメディの方に持って行ってます、これ。

サスペンス・コメディやコミカル・ミステリーというより、正確にはミステリーとコメディの二本立てかな。両者が混じり合っていないのが斬新。

この警部、ラストは鮮やかに解決したのに、とんでもないチョンボをやらかして、バツが悪そうに退場。しかも、やりっぱなしのまま、言い訳じみた報告書だけ残してフェイドアウト。こんな不謹慎なエンディングが許されるなんて。観客を小馬鹿にした作り手の高笑いが聞こえる。

脚本・監督が全盛期のヒッチコックの懐刀、シドニー・ギリアットと聞けば、マニアは納得。タイトルだけ見たら、地球外生命体のボディスナッチャーみたいだけど(ゴケミドロやウルトラセブンの一話みたいな)。
『絶壁の彼方に』(STATE SECRET、1950)につづき再びギリアットが製作、脚本とともに手掛けた作品。第二次大戦末期のイギリスの片田舎にある病院が舞台。戦時中ということでドイツ空軍の空襲が迫りくる緊迫した状況下の病院で起こる2つの殺人事件が主なストーリー。

手術に立ち会った女たらしの外科医、過去に医療ミス経験のある麻酔医、外科医と関係のあった看護婦長、麻酔医の恋人の看護婦、明るく装う看護婦、母親が戦争の悲劇に見舞われた若い看護婦がズバリ犯人候補となる。この中から事件を告発する者が現れたとき第二の殺人が起こり、ロンドン警視庁からコックリル警部が事件調査に赴く…。絡み合う容疑者同士の行動と愛憎劇。限定される6人の中の犯人探し、地味ながら伏線も張られていて面白い正統派ミステリーです。
1944年イギリス。舞台はとある病院。
手術中に郵便配達夫が亡くなった。当初は医療ミスだと思われたが、ある人物はそれを「殺人だ」と告発する。一体、犯人は誰なのか…?なんて正統派のミステリ。

あらま。MARK数が少ないですね。
某ミステリ作家オススメの作品…ということで鑑賞したのですが、結構マイナーな存在だったのですね(ウィキペディアも専用のページがありません)。

しかし、筋金入りのミステリ好きならば、観ておいて損はない作品だと思います。何しろ、冒頭からして「犯人はこの中にいるのだ…!」的なモノローグ。自然と前のめりになるのも当然の話。

疑わしき容疑者は六人。
ジゴロのような外科医。
プライドが高い麻酔医。
外科医に惚れている婦長。
麻酔医の婚約者である看護婦A。
外科医から転職を勧告されている看護婦B。
被害者と接点があった(?)看護婦C。

いやぁ。誰も彼もが疑わしいのです。
しかも、情感豊かな描写が挿入されるので、登場人物たちが記号になっていないのです。やはり、推理を惑わせるのは“思い込み”。見事ですね。ちなみに僕は犯人を当てることが出来ませんでした。ぐぬぬ。敗北感たっぷりですぞ。

また、邦題である『青の恐怖』。
実はこれがヒントなのですが、モロクロ映画なので役に立ちません。ただ、考えてみれば確かにアレは現代でもアレ。70年以上も同じって何か意味があるのでしょうかね…って曖昧な書き方は嫌味ですよね。はい。自重します。

ただ、ここまで煽っておいて失礼な話なのですが、ミステリとして出来が良いか…で判断すると微妙なところ。何しろ、犯人に辿り着くロジックや、犯行に至る動機が不明瞭なのです。これは上映時間に制約があったから…なのかもしれません。もう少し長ければ描けたと思います。

まあ、そんなわけで。
1946年の作品として考えたら完成度は高いのですが、現代の視点で鑑賞するならば、ミステリクイズとして挑戦するくらいのスタンスがベストだと思います。ちなみに監督は『バルカン超特急』の脚本を仕上げたシドニー・ギリアット。なるほど。ミステリはお手の物だったのですね。
原作は本格派推理小説。危険なのは青じゃなくて緑色。第二次大戦下の病院を舞台に、手術中に死亡した患者の死因を巡り、アリバイのない医師やナース達に名探偵コックリル警部が迫る英国ミステリ。本格派なので、殺人動機はイマイチ。それに、カラーじゃないのが致命的だよな。クライマックスはどんでん返しではないが、意外な展開になる。自分がコックリル警部だったら、あんな軽妙な感じで終われない…
2017.11.16 DVD(字幕)