Tully

ワンダー・ボーイズのTullyのレビュー・感想・評価

ワンダー・ボーイズ(2000年製作の映画)
4.0
マイケル・ダグラスのおちゃめな教授っぷりに思わず感情移入してしまう、かなりシュールな喜劇。肝の据わった登場人物達の屈折した自己中さかげんが最高に楽しくて、爆笑というわけではないですが、くすっと笑える映画でした。大物級な人間にも、欠点があって、ややこしくて面倒な悩みも尽きない。それはとてもヘンな事で、実は簡単に解決できることだったりする。常識と非常識、日常と非日常すれすれのシチュエーションで、幸せを探して奮闘する才能ある人たちの物語、というふうに私は観ました。それから、ひとつテーマには世代交代があるように思った。過去の輝きが薄れ始め、様々の疲れが慢性的になって堂々巡りしだした大学教授は、そのポジションに見合いそうな天才少年を見出す。どうしようもない問題児ではあるけど、ふと気付いたら自分だって大概なモンで。重荷を背負って疲れ果てて、そんなものにつぶされるより、そろそろ本当にすべきことをしようと、最後気付くんですね。悩みまくってきーーってなる教授が何度見ても切なくて笑える。トビー・マグワイヤのあの目は尋常じゃないですが、もっと変人色濃くしちゃってもいいように思いました。そしてロバート・ダウニー・Jrの下まつげ、彼はゲイ役多いと思う。LAコンフィデンシャルと同じ監督の作品とは思えないほど、趣を異にしているけど、例の殺害事件の描写なんかはサスペンスっぽくて劇的でした。
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