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陽のあたる場所のとぽとぽのレビュー・感想・評価

陽のあたる場所(1951年製作の映画)
4.0
【未必の故意】道徳的な影がつきまとう…やや宗教的に説教臭いけど非常に人間らしいドラマで今日まで続く"男ってバカね"二択の先駆け?

"野心家"モンゴメリー・クリフト × エリザベス・テイラー共演による自分の中でずっと有名だったタイトル。金が物を言う世界で名家のイーストマンとヴィッカーズ。ビリヤードの腕前を披露するモンゴメリー・クリフト、イケメン。けど、そこから二重生活が始まっていく…昔の映画あるあるトントン拍子ロマンス。
夢は諦められない理想と現実。喜びの先にある苦しみ、自分の取った行動に対する責任は取らないと。悩み苦しむ内なる時間がリアルで見ているこちらまで気まずくなる。コロコロと目移りしては都合悪くなると責任取らない男の悩みのタネ、葛藤にいけない考えが頭をよぎる。心移りは仕方がないにしても、病院にも付き添わないクソ野郎。そりゃ重くもなるよ…という身寄りのない分きっと家族への憧れも人一倍な慎ましく生きたい夢見る女性、もう一方はお金持ち一家の令嬢で美しく華やかな夢のような女性。育ちのいい彼女の世界なら夢と希望、野心を実現できる。
何を考えてるの?やっと見つけた純愛なのか、それとも好物件に飛びついただけなのか、はたまた逆にその前の相手が手元の届く相手に手を出したのか。流されるのもいいわ、予定はないもの。上流社会の社交界デビューにKYな人たち、反芻する記憶。良心の呵責に苛まれる。本当に"不慮の事故"なのだろうか?助けることはできなかったのか?デッドマン・ウォーキング!最後にクロスディゾルブでアンジェラとのキスを思い出すのは、やっぱり富や名声そういった邪な思い抜きにしたときに彼女を本当に愛していたということだろうか。
作品全体手に役者の力によるところも大きくて、特にモンゴメリー・クリフトは『地上より永遠に』にしても、人殺めただの葛藤するさまがよく似合う。

勝手に関連作品『マッチ・ポイント』
愛してる、初めて会ったその時から。いや、会う前からかもしれない
離れるたびに二度と会えない気がするの
とても疲れた、僕には君しかいない
心の何処かに殺意があったからです
私達さよならを言うために出会ったのね
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