ゆみモン

カポネ大いに泣くのゆみモンのレビュー・感想・評価

カポネ大いに泣く(1985年製作の映画)
3.5
1985年と言えば、ジュリーと田中裕子と不倫騒動の真っ最中。
監督は知らなかったと言っていたが、事務所がよくこのキャスティングを認めたなぁと思った。
制作発表会見の時、芸能レポーターたちが喜んで突っ込んでいたが…。ジュリーと田中裕子のとぼけっぷり、そしてショーケンのナイスフォローが傑作だったのを覚えている。

鈴木清順監督のシュールな映像美が、異質なコラボを異質なままで終わらせている。この異質は、浪花節だけでなく全てにわたる。
100年前のアメリカを描こうとするも、まともにセットやロケも組めないために中途半端な看板などで誤魔化して作った背景。これも清順節のシュールさが滑りまくっている。
そんな中で、俳優陣の検討が唯一の救いだ。三枚目を演じたショーケン。浪花節もなかなか良かった。日系マファアをニヒルに演じたジュリーは、終始クールでかっこ良かった。そして、底知らずの演技力のキュートさを発揮している田中裕子。可愛くて色っぽくて、ジュリーがメロメロになったのもわかる。
その他のキャストも名優揃いだ。

興行的には、ヒットは難しいとわかる作品。3人のファンしか見ないかも?