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私の優しくない先輩の堊のレビュー・感想・評価

私の優しくない先輩(2010年製作の映画)
4.1
ヒッチコック化している東浩紀。「3cm浮いた世界」ってのが既にミランダジュライっぽくて興奮したし、増村みたいなファーストカットからバチクソに興奮した。とてもお金がかかっている。「青春映画なのに逆光でレンズフレアで…」って言って批判した柳下毅一郎は的外れにもほどがあるし、宇多丸の「モノローグで全てを語ってしまってる」うんぬんはモノローグで全てを語りながらも語られないところをやろうとしているのが山本寛の作風なので酷だと思う。結局ヤマカンの言う通り批評家は全員クソ。ツイッターで『勝手にふるえてろ』と比較していた人がいたけれど、それどころか逆光でレンズフレアで語りで埋め尽くされた(けれど何も言えてない)昨今の膨大な作品の源流として本作がある気がする。死亡確定→majiで恋する〜ミュージカルは『ララランド』かと思った。二人の間に花火が打ち上がってハートマーク、はチープすぎるし、倒れる直前のスローモーションもムルナウを人生ベストにあげてる監督とは思えないほど酷い。キスしながら一晩超えるのは爆笑。なんのかんのこのゼロ年代死生観がたまらない。限定版DVD買った。東浩紀がやっぱり見つけられない。
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