ゴン吉

座頭市喧嘩太鼓のゴン吉のレビュー・感想・評価

座頭市喧嘩太鼓(1968年製作の映画)
4.2
盲目ながらも居合斬りの名人である渡世人の生き様を描いた「座頭市」シリーズの第19弾。
勝新太郎が主演、三田佳子がヒロインを演じ、佐藤允、西村晃、ミヤコ蝶々らが共演。

年の瀬も迫ったころ、渡世人の座頭市(勝新太郎)は、草鞋を脱いだ熊吉一家への一宿一飯の義理から、一家に30両の借金を返さない宇之吉を斬ってしまう。
その直後に、宇之吉の姉のお袖(三田佳子)が30両を持ってやってくる。
熊吉の子分は借金を理由にお袖をかどわかそうとするが、怒った市はお袖を逃がす。
お袖は諏訪への帰路につくが、市もお袖の身を案じて後を追う。
諏訪への道中で剣客の柏崎と出会うのだが……  

勝新太郎の代表作である盲目の渡世人・座頭市の活躍を描いた時代劇。
ヒロインは三田佳子が演じるお袖で、恩人でありながらも弟の仇である座頭市に対するお袖の複雑な心境と、それを気遣う市の心が交差する。
好敵手は佐藤允演じる凄腕の素浪人・柏崎で、羽根つきの羽根を真っ二つに斬るなどの居合斬りを魅せてくれる。
「やくざのかざっかみにもおけない奴は、たたっ斬らなきゃならないって言いやしたね それじゃ おめえも斬らなくちゃならねえよね」
終盤では暗闇でスポットライトにより照らされた市と熊吉一家との壮絶な斬り合いと、喧嘩太鼓が鳴り響く中で市と柏崎(佐藤允)との差しの居合勝負で盛り上がる。
そして年が明け、明神さんの一番太鼓が鳴り響く。
「あ~ 威勢のいい音だ 今年も豊年間違え無しだ!」
ラストは初日の出を浴びながらがどこともなく旅だって行く座頭市が感慨深い。
座頭市の魅力が詰まった作品です。  

2024.7 BS12で鑑賞
2020.11 BSフジで鑑賞
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