三四郎

舞踏会の手帖の三四郎のレビュー・感想・評価

舞踏会の手帖(1937年製作の映画)
3.7
思い出は美化される、故に得難く懐かしい。
シーンひとつひとつがなんとも美しい…。古き良きフランス映画。
オーバーラップやスローモーションが効果的に用いられなんとも素敵だ。
“青春を忘れずにいたら 純情でいられる”
繊細なピエールいまいづこ…。
どの物語も「人生」を語っており、それは…映画を見終わった後からだんだん忘れられない教訓として体に染み渡ってくるような気がする。辛酸、悲哀、幻滅そしてほんの少しの充足感。
16歳の頃、初めて出た舞踏会、その思い出はあまりにも美化されていた。しかし、また同じように舞踏会デビューした16歳の娘の瞳には、やはりクリスティーヌが幻滅した舞踏会も夢のように映じていた。
ジョーとなっているピエール、三人称で語るアラン、パリを離れアルプスの男となったエリック、故郷で床屋を営むファビアン、そして最愛の人ジェラールの息子、これらの挿話が個人的には好きだ。終幕の仕方に希望が感じられてよかった。

マリー・ベル、フランス人らしい気品溢れる綺麗な女優さんだった。
ピエールの挿話の時、上半身裸体の踊り子が何度か映ったが、当時はおそらく日本やアメリカではこのシーンはカットされていただろうなぁ。
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