遊

惑星ソラリスの遊のネタバレレビュー・内容・結末

惑星ソラリス(1972年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

初タルコフスキー
wikiでさらっとあらすじ読んでおいただけでも全然違った、難解で話についていけないということはなかった
いかんせん長すぎて眠くなるという前評判はまあその通りではあった、でも165分のうち本格的に意識が無かったのはおそらく18分くらいなのではないか かなり善戦したほう

知性を持つソラリスの海によって個人の記憶の奥に閉じ込めたものが実体化して目の前に現れる、という設定は本当にワクワクしたし、肉体を持って現れた死んだはずの妻と主人公の不確かな、宙に浮いたやりとりはどうしたってこちらの心に爪痕を残してくる そして実際に二人は宙に浮かぶ

現実と虚構が混濁していく話がそもそも好みだけど、この作品はその一歩先の話をしている感じがした
現実と虚構の垣根なんてないのさ、世界は全部想像と嘘で出来てるんだから、好きなように思ったように生きようぜというポジティブな帰結も良いけど、
厳然と存在する 自分が生きている現実世界に不自然な虚構が強引に植え付けられました、じゃあこれも現実として処理しますか?という展開、
生きてて何かものを考えてる時点で不自由で限定的な「現実」の地平から逃れられないよ、という視座の話 だとしたらこれはマジで他のSFに比べて現実的な物語なのか
同時代のSF大作・2001年宇宙の旅を観たタルコフスキーが「人工的」「博物館みたい」「人間の道徳の問題を忘れている」と言った、っていうwikiの記述に今勝手に納得がいったわ
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