けーはち

花嫁の父のけーはちのレビュー・感想・評価

花嫁の父(1950年製作の映画)
3.8
娘を嫁にやる父親を主体にしたヒューマンドラマ。弁護士を営むアッパーミドル層の保守的な父親スペンサー・トレイシーが、娘のエリザベス・テイラーに相手を紹介されてから、最後に新婚旅行に旅立つのを見送るまでの悲喜交々、何かと物入りでまたバタバタと忙しないあれやこれや狂騒の日々を送る様子がコミカルに、ハートウォーミングに描かれる古典的名作。

式の前夜、本番で歩けなくて失態を演じる悪夢を見るのだが、式場の床や背景がぐにゃあ〜となって足を取られて服がボロボロになって出席者がドン引きしてしまう様子が、ここまでの人情話とトーンの違う割と異様な特殊撮影で笑ってしまう。娘の前で精神的にも金銭的にも頼れる父親を演じたい、虚勢を張った男の弱さ、そうした状況でも淡々と物事を運ぶ母親と覚悟を決めた花嫁の強さが対照的。