マチャアキ

それでも生きる子供たちへのマチャアキのレビュー・感想・評価

それでも生きる子供たちへ(2005年製作の映画)
4.0
それでも生きる子供たちへー
それでも。当然この接続詞の前後文は真逆の意味を持つ。〝生きる〟の逆、死或いは死にそうなくらいの経験や思い。👦子供たちはそんな死にそうなくらいの経験や思いをしながらも、生きていく。世界のお国事情は様々だけれども、👧子供たちは健気に「死」などは考えず今日より明日、どうやって生きるか、を考える。そう思うと「死」から一番遠いのは👦子供たちとも思えるが、大人たちのエゴで常に危険に晒されるのも👧子供たちだ。
貧困からくる不安定な環境下でも👦子供たちはたくましく生きている。貧しく原始的な生活に近くなればなるほど物事はシンプルになる。生きるために食べる、食べるためには何をしなければならないかを本能が導く。争い奪いとるか働く。
この作品を観ると、生きるということ、一つの命の重さを問うた時、本当の意味で👧子供たちを救うのは豊かさなのか、それとも貧しさや争いなどの試練なのかを考えさせられる。より強い種の存続からすると後者なのだろう。豊かな生活が豊かな心を作るとは限らない。貧しい環境だからといって心まで貧しいとも限らない。👦子供は大人の真似をする。どんな状況であっても、親や親がいなくとも正しい方向へ導いてくれる強い大人がいれば、👧子供は真っ直ぐに育つのではないでしょうか。
働くこともままならない環境でも、そんな強い大人が人生を牽引してくれれば、👦子供たちは側で笑ってくれているに違いない。
「それでも」の世界を作ったのは大人の責任。それでもの接続詞が「だから」になるような世界がきっと来ることを👧子供たちは信じて生きている。
一人ができることは知れている。だけど何もしないよりマシ。とりあえずそっと手を差し伸べてみる。そこに違った明日が見えるかも知れない。
「誰でも昔は子供だった」ことを思い出しながら、〝だから生きる子供たちへ〟の世界となるよう祈らずにはいられない、心にブチ刺さる作品。

ユニセフ・WFP国連世界食糧計画製作
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