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山河遥かなりの4423のレビュー・感想・評価

山河遥かなり(1947年製作の映画)
4.5
第2次大戦直後のベルリンを舞台に戦争孤児となった少年と偶然にも彼を拾ったGIとの友情を描く。

モンティ演じるGIに拾われた少年は恐怖のあまり人間不信に陥り、失語症までもを患っていた。しかし心優しいGIと生活を共にし、英語を教えてもらったりしながら過ごしていくうちに本来の人間性を取り戻していく。

決して情に走ることなく乾いた目線で映し出される戦争の爪痕。そこに染み入る一条の希望がひたすら眩しい。ラストの再会も感動の余韻を長ったらしく延ばすのではなく、スパッと切る潔さと手堅い作りが実にジンネマンらしい作品である。

どうでもいいがモンティが封筒のフラップをべろっと舐めるシーンがあるのだが、私はあの封筒になりたい…。
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