2019.12.1
事故の後遺症により記憶が80分しか保たない「博士」の、数学を通して人生、時間について諭してくれる、そんな作品だったと思います。
杏子とルートにとっての「博士」という1、博士にとっての「京子とルート」という1、未亡人にとって事故のきっかけともなった薪能に10年ぶりに行ったという1。
それぞれの1が、「博士の愛した数式」にハマる。
そんな数学的な美しさも兼ね備えた映画のような気がします。
数学的な要素だけでなく、寺尾聡、深津絵里、そして吉岡秀隆の語り、さらには物語を彩る美しき音楽。
全てが調和した映画だったと思います。