Tully

デアデビルのTullyのレビュー・感想・評価

デアデビル(2003年製作の映画)
4.0
ヒーローは、最初からヒーローだったわけではない。どんなヒーローでも、生まれたときから 「ヒーロー」 であると、名乗っていたわけではない。そう、ヒーローは何か、ふとしたきっかけがあって生まれる。それには、様々な理由がある。ある人は、愛する人を守るためだったり、またある人は、誰かの役に立ちたいためかもしれない。そして、過去の出来事に対する復讐だったりする。彼のきっかけは、「父の死」 だった。そして彼は誓った。自分の力を、正義のために捧げることを。大人になった彼は、「盲目の弁護士」 として、弱い者たちのために働いてきた。そう、誰かのためになることは誰かに誤解されたり、裏切られたり、逆に恨まれたりさえする。彼は法で裁くことの出来なかった者に天誅を下す。それは、弱い者を守るため。だから彼は、殺めた人の数だけの身体の傷を、心の痛みを背負っていかなければならなかった。自分の正義を貫くほどに増えていく、殺めた人の数。自分の身体に残る傷。そして心の痛み。それを感じれば感じるほどに思う、自分の正義に対する疑問。法律に仕え、法律を遵守する弁護士のはずなのに、「本当の正義とは何か」 わからなくなっていく。なかなか見えてこない答え。しかし、それは永遠に答えが出ることはないのかもしれない。正しい答えなんてないのかもしれない。誰にも 「本当の正義」 が何なのか分からないから。だから 「盲目のヒーロー デアデビル」 も自分の行動が本当に正しいか疑念を抱え、自分の行動を誤解する人々に心を痛めるながらも、自分の正義を貫くことしか出来ない。だから今日も彼は、殺めた人の数だけの心の痛みを背負って、弱い者の為に自分の力を捧げるのだろう。「本当の正義とは何か」 自分の心に問いかけながら、自分の力を待っている人達のために
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