このレビューはネタバレを含みます
ワイルダーチャンドラー間の軋轢のせいなのか、個人的には世間の評価ほどには残念ながら響かなかった。ナレーションの極端な修辞がうまくはまっていないストーリーラインを強引になめらかに舐めそうとしている誤魔化しに見え、あらすじもフィルムノワールの世界というよりも昼ドラ的な惚れたはれたに寄りかかりすぎており、ハードボイルドの乾いた渋さというよりはベットリ濡れており甘さが残る。10年ほど後のwitness for the prosecutionの方が上手くできたサスペンスだと個人的には思われる。