指の小指

座頭市と用心棒の指の小指のレビュー・感想・評価

座頭市と用心棒(1970年製作の映画)
4.0
1970年公開、配給は大映ながら監督は東宝の岡本喜八。勝慎太郎さんの「座頭市」、三船敏郎さんの「用心棒」が夢のクロスオーバーをした作品。大映と東宝の「バケモノvsケダモノ」言うなれば「ガメラvsゴジラ」🐢🦖

いよいよ間近に迫った「ジョン・ウィック:コンセクエンス」の為に時代劇予習。デイヴ・フィローニやチャド・スタエルスキ監督は間違い無く今作を観てるはず。

大飢饉をきっかけにヤクザの小仏一家が牛耳ってしまった村を3年ぶりに訪れた市。烏帽子屋とその長男である政五郎の対立に双方の側につく形で相見える座頭市と用心棒・佐々大作。そして隠された金を巡って各々の思惑が錯綜するー。

のほほんとしながら締めるところは締める市、豪快でいつもブレない(泣き上戸だけど)佐々。「しぇんしぇ〜。」と政五郎のモノマネをしたり、人の箸を嗅いで折って使ったり、コメディ部分も含めエンターテイメントとして非常に楽しめる作品でした。

若かりし寺田農さんがちんぴら余吾役で出演。流石に「人がゴミのようだ」なんて言わないですが。政五郎と余吾の滅茶苦茶な戦いが、間違ってお互い当たりそうで観ていて一番スリルがありました笑

勝慎太郎さんの市は日本人俳優をモデルにする「ワンピース」の海軍大将でも“藤虎”として有名ですね。ちなみに知ってる方も多いと思いますが、“赤犬”は菅原文太さん、“青雉”は松田優作さん、“黄猿”は田中邦衛さん、“緑牛”は原田芳雄さんがモデル。

改めて、勝さんのキャラクター造形の拘りと細部まで気に掛けた演技が市の魅力に直結しているのをとても感じました。

「ジョン・ウィック:コンセクエンス」にてドニー・イェンが演じる盲目の殺し屋がどんな影響を受けているのか、今から楽しみです。予告で見る限り座頭市と九頭竜のキメラですもん。

“そよ風、せせらぎ、梅の匂い”
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