指の小指

ニュー・シネマ・パラダイスの指の小指のレビュー・感想・評価

4.5
ローマに住む映画監督サルヴァトーレ・ディ・ヴィータは、30年以上帰っていない故郷シチリアの母から一本の訃報があったと伝え聞く。それはアルフレードが亡くなり、明日が葬儀とのことだった。彼は幼少期の“トト”だった頃のアルフレードに想いを馳せていくー。

600レビュー目はまだ観ていなかった名作を。鑑賞したのは「3時間完全オリジナル版」でした。

イタリア人監督ジュゼッペ・トルナトーレによる1989年作品。観る前は時代背景も含めてもっと古い時代の映画なんだと思ってました。エンニオ・モリコーネによる劇伴、特にメインテーマである「ニュー・シネマ・パラダイス」と「愛のテーマ」は素晴らしい名曲。

少年トトが青年、大人へと成長する中でメンターとも呼べるアルフレードとの約束、母親目線での優しさ、エレナとの“あの日”の真相など長い年月を経たからこそ生まれる感動がそこにはありました。

トトを演じたサルヴァトーレ・カシオくんのスクリーンに釘付けになる表情、カーテンから覗かせる顔がとても良かった。そして現代、当時に戻りアルフレードが編集したフィルムを見つめるラストには泣いてしまいました。

最近はマナーが良いという事だとは思うのですが、劇場で大きな笑い声や驚きの声があまり聞こえないのは少し寂しくもあります。皆で一体感を持って楽しむ“映画の楽園”にまた行きたくなり、この環境の大切さを改めて気付かせてくれる様な作品でした。

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