指の小指

大菩薩峠の指の小指のレビュー・感想・評価

大菩薩峠(1960年製作の映画)
3.5
監督は三隅研次、1960年公開の作品。原作である中里介山の同名小説は約30年に渡り執筆された一大巨編。

昨年は「ジョン・ウィック:コンセクエンス」予習として見始めた時代劇の面白さに気付けた年でもありました。今年も少しづつ観ていきたい次第。

浪人である机竜之助が、富士を眺める大菩薩峠に孫娘と訪れていた老人を意味も無く斬り捨てる衝撃的なファーストカット。その後も辻斬りを繰り返し、対戦相手の妻を手籠めにする等とにかく酷い男。

宇津木兵馬との因縁、新選組との繋がり、お浜の呪縛など今作は風呂敷が広がっただけで終わってしまった。島田虎之助の比類なき強さと言葉が、むしろ主人公然としていたし…。

これは長編である原作の導入に近い部分ということもあるのでしょうが、単体では評価が難しいですね。思った以上にホラー演出の連続でしたが、「ファントム・メナス」冒頭からアナキンが闇堕ちしてる様なものだと思うとこの先に光明はあるのだろうか?

印象に残ったシーンは闇で顔が見えぬ中で刀だけが光る、森での青眼“音無しの構え”。こういう見せ方に監督のセンスを感じました🌘
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