マーくんパパ

アメリカの悲劇のマーくんパパのレビュー・感想・評価

アメリカの悲劇(1931年製作の映画)
3.6
後年M ・クリフト&E ・テーラー主演の『陽の当たる場所』でリメイクされた作品。揺らめく水に浮かぶ題名、低階層の青年クライドは職場の女工ロバータと恋仲となるが上流階級の女サンドラに見染められロバータが邪魔になりボートに誘い出し溺死させてしまう…。臆病な青年が上流階級の蜜の味を知ってしまい身の丈にあった慎ましい幸せを逃したばかりか絞首刑台に登る羽目になる、殺意はあったが殺していない、不可抗力の事故だと抗弁するも陪審員には認められない。心の隙間に入り込む邪悪な誘いの恐ろしさ、後悔先に立たずの行いが苛烈な裁判模様でリプレイされる。恋と結婚の希望に縋るロバータ役のシルビア・シドニーが憐れみ誘う演技でいい感じ、足踏み外す青年の繊細な感情はM ・クリフト観てしまうと物足りなさは仕方なしか。