ロキ氏

告発のロキ氏のレビュー・感想・評価

告発(1995年製作の映画)
4.0
両親を失い、仕事も食べるものもなく、幼い妹を養うため店から5ドル盗んだ兄ヘンリー。

妹は孤児院に連れていかれ、ヘンリーは監獄島と呼ばれる世界一有名な脱出不可能と言われるアルカトラズ刑務所に25年入れられる。

ある日、脱出を試みようとしたヘンリーに他の囚人が裏切りヘンリーは本来、19日しか入れないところを「脱獄をしようとした極悪人だから」という理由で1000日(3年と数ヶ月)もの間、光が一切ない地下牢“穴”にぶち込まれる。そして看守達から虐待、非人道的行為、人として扱わない仕打ちをタップリと味わう。

そして穴から解放されて皆で食事の時、自分を裏切った囚人を殺してしまい裁判にかけられ、新人弁護士のジェームズと出会う。

ジェームズはヘンリーと話していく内に刑務所内の実態を知っていき、アルカトラズ刑務所を告発する。


原題:MURDER IN THE FIRST(第一級殺人罪)

※米国でも最も悪質で情状酌量の余地もないと言われている罪。



後に世界一有名な刑務所を“閉鎖”にさせた実話を基にした映画。



もうね、観てて辛い。
こんな目に遭ってたら、死んだ方がマシだと誰もが思うだろう。

凄く濃厚な深みのある映画。

ケヴィン・ベーコン演じるヘンリーが迫真過ぎる演技で魂を感じる。

弁護士ジェームズ演じるクリスチャン・スレーターが自分の中の正義に従い立ち向かう姿がカッコ良すぎた。


話していくうちに2人に絆が芽生え始めてくる感じとか感動だね。


ラストはやり切れない感情もあるが、ヘンリーが少し報われた気がしました。


ヘンリー・ヤングという1人の若者の人生を他人は見てどう映るのかな。



日本の宣伝ポスターに『涙を流す前に、拍手を贈ってください』との文言があるんですが、正にその通り。

観ておきたい名作の1つだと思います。



牢屋でヘンリーとジェームズが並んで座ってるときの会話

ヘンリー「5ドル盗んだ事ある?」

ジェームズ「あるよ。兄貴の財布から。」

ヘンリー「どうなった?」

ジェームズ「やらない様に注意されたよ」

ヘンリー「なぜ俺を3年も穴へ入れたんだ?あんたみたいで いられたのに」

(ポロリと涙を流すヘンリー)


“5ドル盗んだ”という事実は一緒なのにこうも人生が違うのかと…。

運が悪かったと片付けるべきか、どうなのか…



個人的に凄く切なくなるシーンでした。
ロキ氏

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