FAKEのUKのネタバレレビュー・内容・結末

「衝撃のラスト12分」を謳い文句にしているが、個人的な肝はその中のラスト2分にあった。
佐村河内氏は「作曲を再開したことであらゆるものに心動かされるようになった」という趣旨のことを述べるが、そこで「何だ、そのありきたりな物語は」という不快感が沸々と湧き上がって仕方がなかった。監督とある程度の信頼関係を築いた後半から加速度的に饒舌になることで募った不信感が爆発した形だ。私たちが普段、すぐに安易な「物語」に逃げ込んでしまっていることを痛感させられた。
監督の「まだ僕に隠していることはある？」という問いに対する答えが与えられることなく映像が途切れるところには「物語」として閉じまいとする強靭な意志がある。