みんな知っているはずなのに「そんな人は最初からいなかったよ」と口をそろえて言ってくる想定外な展開は、オチがわかるまで観客を惹きつけ、「なぜそんな展開に?」と明確な理由を期待させます。夢オチや幻覚オチというパターンも実際にあるから元祖である本作はどのようにそれを締めくくるのか…気になるのです。
ちなみに本作以外で“そんな人は最初からいなかったよ”系の作品には以下がありました。
『フライトプラン』('05):ジョディ・フォスター主演。搭乗した飛行機から娘が忽然と消えてしまうミステリー。
『フラクチャード』('19):サム・ワーシントン主演。駆け込んだ病院から妻と娘が忽然と消えてしまうミステリー。
ところで本作、なぜタイトルに「超」がつくのでしょう?なんとなく気になりました。公開当時としては、列車の外側に出て対向列車とスレスレのヒヤッとさせる特殊映像シーンなどは、息をのむ迫力だったことでしょう。日本の担当者はこの魅力を伝えたい一心で「超」を付け加えたのかもしれませんね。
ヒッチコック作品が好きで、より深く知りたいかたには見過ごすことができない作品かもしれません。が、ヒッチコック作品を見たことない方は、まず先に最大のヒット作『サイコ』('60)を観るのが良いのでは?他に『鳥』('63)とか『裏窓』('54)、『レベッカ』('40)なんかもいいですね。