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或る夜の出来事の3103のネタバレレビュー・内容・結末

或る夜の出来事(1934年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

【感想】
ザスクリューボールコメディ。2人の美男美女が結ばれると分かっていながら、さまざまな障害によって結ばれないのにヤキモキする。その障害がしかも内的要因の喧嘩に。喧嘩は喧嘩のまま恋愛関係の記号として機能。ツンデレ的な嫌いは好きの裏返しなのだ。それがピーターの言葉ではキツく当たるも行動では優しく接しているところに現れている。夫婦ごっここそ真の夫婦なのだ。知ってる/知らないのすれ違いが要所で見られ、どっちも知っている観客はヤキモキする。しかし最初は敵として配置されていた父が観客の視線と同一化することによって、観客の気持ちを代弁する存在に変わる。結局、父によって2人はお互いの気持ちにやっと気づき結ばれる。この設定はヒッチコックの39階段やローマの休日に引き継がれるように、圧倒的クラシック映画と言えよう。ドキドキした。

【内容】
パイロットの彼氏との結婚を反対されるエリー
父親はエリーを船に乗せいわば軟禁
その間に結婚を解消させる作戦
エリーは反発し船から泳いで逃げる
ワイプトランジション
金持ちだからバスに乗らないと思われている
クビになる新聞記者のピーター
編集長と電話で話す時、クロスカッティング
バスの席をエリーに取られた
自由席ゆえ
2人乗りだからと隣に座るピーター
立って荷物を上に乗せている時に動くバス
ピーターによりかかる
☆ドキっとするシーン
休憩中に荷物をすられるエリー
手持ちの金が全然ない
でも電話したら家族に居場所が知られる

休憩明け、2人乗りの席を占領するピーター
やむなく他の席に座るエリーだが隣の男によりかかられる
それを見ていたピーターだが、寝ているフリをして座れるようにした
☆プライドを傷つけず(力関係を崩さないまま)

停車中にバスに置いてかれる
ピーターも
次のバスは12時間後
ピーターは新聞でエリーが金持ちの娘と知る
そしてかかっている懸賞金は私が払うからと
金でなんでも解決できると思っているエリーを突き放すピーター
本当は今にも金がほしいはずなのに
☆プライドを守りたい
だからエリーの前でははカッコつけるが、電報で編集社にエリーを見つけたと伝える
エリーはNYの彼氏の元へ行きたい

次のバス
隣の男に絡まれるエリー
どけ女房の隣に座りたいと成敗
しかしエリーのプライドを守るために、お前のためじゃない、奴の声がうるさかったからと

大雨で橋を渡れない
近くのモーテルに泊まることに
夫婦として2人で泊まる
☆夫婦ごっこ

下心はない
あんたの記事を書きたい
毛布で仕切り
ジェリコの壁と

タイトルの「或る夜の出来事」、原題は「It happened one night」。しかし画面上何も起こってない。セックス以上の恋が起こってる。観客の頭の中でhappenedしてる。

捜索中の父。
まだ見つからない。

モーテルの朝。
歯ブラシを買ってきて服にアイロンもかけたピーター。シャワーを浴びて来いと言うピーター。ガウンやスリッパを貸す。またスリを追ってもいたように、めちゃ優しいやつ。ピーターは究極のツンデレ。
料理も作り振る舞う。

探偵がモーテルに来る。
夫婦ごっこスタート。
演技で騙せた!
共通の秘密

誘ってきた男が新聞を見てエリーの正体に気づく
みんなで仲良く合唱するバス
運転手もノリノリで川に突っ込んじゃう
1人が体調不良に
金なくて空腹で
あの男が5000ドル山分けしようと話をふっかけてきた
ピーターもそれ目的だと思われる
しかし誘拐するつもりだと
検問の男を殺せと
☆めっちゃヤクザぶって口封じ
逃げ出す

お金を全部子供にやって一文なし
父親に電話するのがいいんじゃないかと
しかし餓死してもNYに行くと固いエリー
あいつの気が変わってバスに戻ってこないようにバスを離れて歩くことに
またバスの復旧のために電話するからバレる危険性大
野宿

一瞬ピーターが食料を探しに行ったら、不安になってピーターと叫ぶ
言葉では1人でも平気と言っておきながらピーターを求めている
本音と建前
ピーターは空腹というエリーのために
一瞬キスしかけるがとどまるピーター
この本音を隠すのが恋の駆け引き

翌朝ヒッチハイク
全然ピーターがやると引っかからない
エリーが生足をちらつかせて1発で止める
乗せてもらった男にハンバーガーを奢ってもらえるところだったが、ピーターがいらんと
☆他の男に頼りたくないプライド
奴は休憩中に車を走らせ逃げようと
親切心を装った泥棒だった
しかし走って捕まえて車もゲット
空腹を満たすため生のにんじんを食すエリー
☆ピーターに歩み寄った証

どうしても見つからず結婚を認めた父
とにかく娘を探す父
結婚を認めたと言う新聞を読むエリー
しかしNYに行きたがらない
これはもうピーターを好きになったから
その新聞の内容をピーターは知らない
☆サスペンス的
泊まれる宿を見つける
1週間いると言ってお金はなんとかなった
→後払いにさせてちょろまかすつもり?
また布団で仕切り
最後の夜

また会える?と聞くも人妻とは付き合わないと
ピーターに恋をした経験は?と聞く
あなたは女性を幸せにできる人よと
夢見たさ、愛する女が見つかることを
恋に憧れたさと
愛する女を太平洋の島に連れて行きたいと

仕切り(境界)を超えて本音を告げるエリー
私をその島に連れて行って
あなたなしじゃ生きられないわと
しかしベッドに戻れと仕切りの奥に戻す

本気なのか?と尋ねると寝ていたエリー
急いでNYに戻るピーター
一瞬揺らいだが記事を
1000ドルくれ、新しい恋人ができたと
これは島へ行くお金??

しかしピーターがいないことに気づき、ピーターに捨てられたと勘違い
そして父に電話
ピーターの記事はデマだと思われる
ピーターはホラ吹きで指名手配される

エリーを迎えに行くも…
すれ違い

迎えに行く際、反対車線でエリーが父と乗っているのに気づく
エリーは気づかない
お互いに好き同士のまま離ればなれ

ピーターは新聞社に戻れることに

結婚式
心ここに在らずのエリー
父は他の男を愛したんだなと
まだ間に合うと
しかし軽蔑されてると思い込むエリー
父に手紙を送っていたピーター
金目的という趣旨の
☆これもプライドが邪魔したゆえ

ピーターがエリーの父のもとに
たくさん金をふんどるんじゃなく本当にかかった諸費用のみ
40ドルくらい
賞金は別にいらない
これもプライド
束の間の夢を味わったが旅費は別だと
率直に聞かせてくれ
娘を愛しているか
愛してるとも
☆観客の視点は父に同一化=どっちの気持ちも把握している立場

バージンロードで全てを明かす父
まだ辞められる
金で解決できると
☆ピーターが嫌うやり方

誓いの言葉の時、車に乗り込むエリー
ピーターのもとへ

婚約予定だった男には10万ドルの小切手

父のもとに電話
婚約解消の手続きはまだか
ジェリコの壁が崩れそうだ
→崩してよしと

最後どっかのモーテル
主人たちが本当の夫婦じゃないと
だって毛布で仕切ってる(ジェリコ)
☆結婚するまで純白を貫く
誠実なピーター

最後毛布が床に落ちるラストショット
☆ジェリコの壁崩壊!!
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