Kuuta

ライアー ライアーのKuutaのレビュー・感想・評価

ライアー ライアー(1997年製作の映画)
2.9
家族もの、法廷もので下ネタもさらっと挟みつつ、というスタンダードな米製コメディ。

個人的にジムキャリーの「演技ががった」顔芸や体を張った仕草があんまり得意でなく、今作も冷める部分もありましたが、設定を活かした小気味良い展開はなかなか秀逸。

ただ、嘘がつけない悲劇のパートは正直お腹いっぱいな感じ。嘘付けないからって、すぐハゲとかアバズレとか、そこまでこの主人公の内心は歪みきってるのかなあと(胸が大きい女性をママ呼ばわりしたのはあまりにキモくて笑ったが)

本音トークが良い方向に回り出すことで、世界の認識が変わって行く。元々演技がかった振る舞いの多かった弁護士が、演技と本音の境目を失っていく。普段から関係を築いていた人に助けられ、ホームレスに思わず小銭を渡す展開は「素晴らしき哉、人生」をちょっと連想した。

ジムキャリーの勢いに対してかなり引いた演技を見せる奥さん(モーラ・ティアニー)がとても良い。粗も多い作品だが、ラストの上手さで大分持ってかれた感がある。窓の外に手を振る以外の対応を見出せない親子のシーンが一番笑った。58点。
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