三太郎

トゥルーマン・ショーの三太郎のネタバレレビュー・内容・結末

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

予告何も見ずにジムキャリーが出ているという事で視聴。

ジムキャリーが出ている映画がコメディが多いため、この作品もコメディと思いきやホラーよりだった。

人々が創作物に飽き、リアルを求めた結果親が育てることを拒否した赤ちゃんを引き取り、その人生をテレビドラマとして放送するという非道徳的な行いを描いた映画。

可哀想なのはトゥルーマン演じるジムキャリー以外が全部偽物だという事である。
物語を上手く進める為に父親を殺され、好きな人と引き裂かれ、今住んでいる島から出られないという風に結局は「創作物」でしかないという事である。
その為、中盤トゥルーマンが自分が生活している世界がおかしい事に気づき、事を起こそうとしている場面でもいつもの変わらず、ほんわかした音楽が背景で流れているのが奇妙であった。

途中で、トゥルーマンの番組を見ている視聴者を映し出すシーンが所々あり、視聴者は、トゥルーマンがこの世界から脱出する事を応援している。
ただ、この番組のプロデューサーからしてみればそのゴールは視聴率が高い番組の終了を告げる事となるので必死に止めようとする。
最終的にトゥルーマンが、その世界から出る事を決断して、番組が終了するのだが、その後のひとしきり喜んだ視聴者の発言が恐ろしかった。

「番組表はどこだ?」

見ていたテレビドラマがただ終わったから次の番組を探そうとしている。
要するに、トゥルーマンの約30年間の人生をただのテレビドラマとしか捉えられておらず、トゥルーマンからしてみれば、自分の人生が娯楽にされていたという事である。

最近のSNS上でも同じ事が言えるであろう。何かしらのきっかけで有名になるが、短い人々の関心が無くなると、すぐに忘れ去られてしまうという直接触れる事のない玩具の様である。

脱出後のトゥルーマンがどうなったのか描かれておらず、胸糞エンディングだったが、それが逆に良かった。
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