おひさまオムライス

トゥルーマン・ショーのおひさまオムライスのレビュー・感想・評価

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
4.0
すごく見入ってしまった。
なんだか他人事では無い気がして。

私は小さい頃ずっと、テレビのドッキリ番組の影響で「いつどこで誰に見られてもいいように」行動していた時期がある。お天道様が見ているよ、とかよりもずっと、ドッキリ番組で自分のそのままの姿が誰かに見られる可能性がある恐怖の方が自分を奮い立たせるのに十分だった。

完璧に作られたように見えた世界だとしても、トゥルーマンがこの世界が作られたものかもしれないと気づいてしまうくらい、異変に気づいてしまったらもうその完全(だと思われていた)世界はあっという間に崩れ去ってしまう。理想郷なんてそんなもんだろうと思った。どんな世界にも憂いや悲しみ、苦しみはあって、ただそこに自分が存在しているだけ。どんなに理想的にみえたとしても1個でも違和感があれば理想とは違くなるし、自分は誰のこともコントロールできっこない。

反対にひとつでも希望(今回で言うシルヴィア)があるのだとしたら、自分のために作られた世界を飛び出す勇気が生まれるし、困難に立ち向かおうとも思える。1個の疑念が理想を壊し、1個の希望が絶望に立ち向かわせる。人生ってそんなものなのかなって思った。