おひさまオムライス

ザ・ホエールのおひさまオムライスのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

とても好きでした。
演劇版をみてから、映画を見ました。
今回のレビューはぐちゃぐちゃの構成になってます。
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やはり映画ならではのカットや表現方法が私は好きだなと改めて感じました。

まあそこいらへんはともかく、私はこの映画から、神様について、というよりは、救いについて考えました。

その人にとって何が救いなのか、それはその人しか分からない。神様がいると言われても、きっとその神様は人によって違う。

周りからは悪魔のように思われていたとしても、その人の行動で誰かが救われることもある。また、神様のように優しい人の行動が誰かを傷つけることだってある。

だとしたら私は、自分に素直にいきたいと思った。主人公の「素直に書け」という言葉はそれだけで自分の心に刺さって、刺さったということは私ほもっと自分に素直にいきたいと思っているのかもしれないと思って。

自分に素直になるって、自分の非を認めたり、誰かを傷つけることになったりしてしまうから、結構難しいことだと思う。だから、それを知っているから、自分の娘が良くも悪くも自分の心に素直であることを過剰に肯定していたのではないかと思った。

また、ピザの配達員の効果についても語りたい。
この配達員、劇でも小説でも出てこない映画オリジナルだそうで。私はこの配達員が登場している理由は「登場人物の中で主人公の姿をまだ見ていない唯一の人だから、この人に姿を見られたら世界の全てから否定的に見られてしまうという小さな救いの要素としての意味があるから」だと思った。配達員にバレた瞬間、なんか全部どうでも良くなってて、取り繕わなくても良くなってて、実際私でも、そこまで重要な人物ではないにしても、バレたくなかった、まだ自分がまともな人として見られる希望の人ということには変わりないから、その人に自分の姿が見られることで最後の希望が無くなった感覚になるのではないかと。そういう絶望の意味を強める効果があったのではないかと思っている。

なんにせよ、すごく響く映画で、好きな話でした。