けんぼー

トゥルーマン・ショーのけんぼーのレビュー・感想・評価

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
3.8
2020年鑑賞100本目。
面白くも恐ろしい、人権完全無視のスーパーリアリティショー。

人間は与えられた幸せでは満足しないのかもしれない。自分の心が選び、自分の信念で行動できたときに幸福感を得られるのかも。
生まれた時からずっと監視され、それをテレビ番組で放送するという、実際にあったら絶対人権問題になってしまうテーマだが、発想は面白い。
リアリティショーは現在でも様々なテレビ番組が放送されている。日本で有名なのは「テラスハウス」かな。フィクションではないリアルに興味をそそられてしまうのは人間の習性なのか。ただ、テレビで放送するとなるとスポンサーが絡んできて、視聴率が大切になるので、どうしてもヤラセの部分は出てきてしまう。それが本作でもユーモアに描かれている。急に妻が商品をわざとらしく紹介したり。
ジム・キャリー演じる主人公は順風満帆とも思えるような台本通りの人生が用意・演出されていて、幸せな人生かのように思えるが、そこに疑問を抱き始める。やはり人の人生をコントロールするのは不可能なのだろう。その人の自我があり、その人自身が選択したと思えなければ幸福感は得られないのだと思った。
最後は主人公を応援したくなる、希望を持てる終わり方ではあるが、その後のことを考えるとちょっと怖い。彼は現実の世界でうまくやっていけるのだろうか。これまで自分の人生が世界中の人に見られている状態で社会に溶け込めるのだろうか。恐ろしい。

2020/8/13鑑賞