モダンタイムスから社会批判的内容が深くなっている。時代背景を考えれば当然か。
お金のために仕事として人を殺していた男、現実世界だったら議論の余地もないけど、これは映画であって、なぜそんな男を描いたかというと、それは最後のメッセージにつながるわけで。
独裁者の時だって、確かに思想やメッセージが強く現れてはいるけれど、それ以前にキャラクターや人間ドラマ、何よりユーモアに重きを置いていて、それが映画としての面白さを感じさせてくれている。
果たしてそれがチャップリンを偉大たらせる所で、名画として評価すべき点なのかは知らないけど、ただ単純に観ていて楽しい。
それが映画で何より大切なことではないか
愛のためなら殺人だってすると言い切る若い娘と、家族を養うために人を殺し続ける男。(ここで「リアルだったら〜」なんていうのはあまりにナンセンス)
不況と不条理の世界で愛のために殺しをすることが許されず、利益のための大量殺人がなぜ許されるのか?というなかなか凡人は辿りつかないテーマ。